飛行機の基本構造
2020.05.18
飛行機の基本構造
飛行機の構造を説明する前に、飛行機の型を説明する。
大きく分類すると「高翼機」と「低翼機」である。「高翼機」とは主翼が胴体の上に取り付いている飛行機で、比較的小型、中型の飛行機にこの型が採用されている。一方「低翼機」は主翼が胴体の下に取り付いている。セスナ172は「高翼機」である。旅客機のボーイング777は「低翼機」になります。
基本的な構造
いずれにせよ飛行機としての「性能」や「機能」など、それぞれの「用途」に応じた最適な設計がなされているわけである。
それでは飛行機の構造をかいつまんで説明する。 飛行機を構成する「部位」は、まず「胴体」があり、次に「主翼」最後は「尾翼」で構成されている。「胴体」はエンジンを取り付けたり、乗客が乗るスペースを設置したり、貨物を搭載するためのスペースを確保する設計がなされる。機体によっては胴体に「着陸脚」を取り付けてある。 また胴体は「主翼」や「尾翼」など、非常に強度が必要な部品を取り付けるため、それ相応の強度が要求される。「主翼」は飛行機に空気力学的な「揚力」を発生させ、飛行機の全重量を持ち上げなければならないため、機械工学的に非常に頑丈に設計され、かつ軽量化も図られている。
また旅客機などの「主翼」では「エンジン」を取り付ける設計法もあるので、その強度は想像できるであろう。しかも多くの飛行機は「主翼」に「燃料」を搭載するので更なる強度が要求される。また「着陸脚」も「主翼」に取り付けられる機体も多く、「主翼」は飛行機構造の代表的な部位である。
「主翼」にはこれらの搭載装備品とは別に、「エルロン」や「フラップ」といった飛行に欠くことのできない「コントロール系統」も装着されている。「尾翼」は「水平尾翼」と「垂直尾翼」とに分類される。「水平尾翼」は飛行機の前後方向で、つまり機体を横から見て機体を水平に保つ役目を果たし、必要であれば水平尾翼に付随する「エレベーター」で機体を上下方向にコントロールする役目も持つ。「水平尾翼」は飛行機を上から見て直進を保つ役目を果たし、必要であれば垂直尾翼に付随する「ラダー」で機首を左右にコントロールする役目ももつ。
これらの「尾翼」をさらに分類すると、「水平安定板」と「エレベーター」が一体となって「水平尾翼」と呼称され、「垂直安定板」と「ラダー」が一体となって「垂直尾翼」と呼称される。 このように「胴体」「主翼」「尾翼」を総合して「機体」という呼称が使われる。
機体を構成する素材
さて、これらの構造物の材料はどのような種類が使われているのであろうか?
次は機体構造を構成する「材質」について説明していく。 飛行機、とりわけ航空機構造体に一般的に使用されている「材質」はその大半が「ジュラルミン」と呼ばれる「アルミ合金」である。 次に使用されるのが「鋼鉄類」でさらに「ガラス強化繊維(FRP)」や「カーボン複合材」「特殊鋼」「プラスティック類」等になる。 また最近ではカーボン繊維などを機体全体の80%以上に使用した「複合材料機体(ボーイング787にも使用)」も出現してきた。 いずれにしても「航空機」は「空中」に浮揚しなければならない命題があるので、「軽く」製造することは他の何より優先される。この「軽量化」は、先に述べた「強度確保」とは相反する命題であるので、航空機設計者にとっては今も昔も変わらない、永遠の「妥協案」との戦いである。
これらの材料を「適材適所」に振り分けて、「軽量」で「強固」な、しかも「安全」を優先させるような構造を採用しているわけである。
パイロットとして機体構造を知ることとは。
パイロット留学は勿論のことパイロットとして働く上で飛行機の基本構造を知ることは「飛行の安全」へとつながり、緊急事態に対しての対処法にも直結することである。
また最近はパイロットであるにも関わらず、飛行機の基本的なことを知らないパイロットが増えていることなどから「不祥事」「人的ミス」などが起きていることから、このサイトを見ている方々にはくれぐれもそのような事がないよう将来「プロパイロット」として日本だけでなく世界で活躍して頂きたい。
要は飛行機が「好き」であれば知ろうと言う気持ちが高まるため皆様にもその「知りたい」という探究心は忘れないでいて欲しい。
Randy Works.Co