パイロットであること。
2020.05.11
パイロットであること。
過去にもパイロットの資質や今後について書いたことがありますが、今回はパイロットのもつリーダーシップや立場について少しお話をしていきます。
皆さんからすればパイロットは憧れの存在で、世界中を飛び回るカッコイイ存在でしょうし間違ってはいません。しかし旅客機を運行する航空会社には飛行機を飛ばすために多くの実務が日夜こなされており、それらを総合評価してその日の運行の是非を決めたりしております。
それらに携わる航空管制、運行管理、航空機整備など列挙すればきりがありませんが、パイロットはそれらのエキスパートからもたらせられる情報を経験やデータに基づき総合的な判断をするわけですが、その世界は常に「決断・判断・決定」でできており、それらの経験や知識を有するには並外れた努力でなくては達成できないこともお分かりいただけるかと思います。しかしだからと言って特殊な訓練や社会経験を積むのではなくあくまで「基礎訓練」がベースにあるということになります。
パイロットは整備士の勉強は分かりません。しかし専門外だからこそ整備の世界では常識として蓋然性だけで語られてる(ルールや決まり)ことに疑問を投げかけることによって良い意味で「素人としての意見」を出すことができます。これらは整備士にとって本来ありがたいことであり、これは立場が逆の時もしかりです。また「機長なのに整備のこと何も知らない」などと現場で言われたり、耳にするかもしれませんが、それでいいのです。整備士がパイロットである必要性がないのと同じで、パイロットだって整備士である必要はありません。
専門知識を豊富に有し、卓越した技術を持つ整備士にパイロットがかなう訳ではありません。
しかしながらパイロットとは日夜様々な部署との交流や親睦を深めることによって信頼を築き上げ、その人たちの代弁者となって最終判断を下します。
運行管理からもたらせられる様々な情報や航空管制からの情報、整備士からの情報。実に様々な情報を聞いた上で判断し、決定する。ときに難しい選択肢を決断することだってあります。
これらは持って生まれたセンスや才能という方もいますが、大事なのはとにかく様々なシチュエーションでの訓練や飛行など場数をこなしていくしか近道はありません。
「好きこそものの上手なれ」とあるように極めたもの、突き詰めたものが見える世界がそこにはあるはずです。
英語でGuy on the Moon.という言葉がありますが、まさにその通り「脚光を浴びる、月に照らされるほどやり抜いた人」みたいな意味合いで使われます。
皆さんもいつかはGuy on the Moon.になりましょう!今はどちらかと言えばMan in the room.ですが。
Randy Works.Co