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パイロットと水泳

2022.09.15

パイロットと水泳

皆さんは「水泳」は出来るだろうか。
別に50メートルを25秒で泳げるかどうかではなく、単純に「泳げるかどうか」である。
私は常日頃から水泳をしている。大会を目指すわけでもなく何か目標があるわけでもないが、水泳から得られるメリットは実に多い。
小学生の頃、夏の体育で水泳をした記憶があるだろうが私はその頃、特段泳ぎが上手いわけではなかった。
しかし、水泳は好きであったことから今も水泳を続けている理由の一つである。
ちなみにであるが、海外出張でプールに行くと「君の後ろは泳ぎやすい」「フォームが綺麗だ」と褒められることが多々あるし、日本のプールでも褒められることが多い。
この時点で一つの「メリット」であると私は考える。
「パイロットと水泳」は健康だけでなく様々な効果が得られることから、是非とも始めて欲しい。

パイロットが水泳をすることで得られるメリット。
水泳は心身ともに鍛えられる

水泳におけるメリット

水泳におけるメリットは、挙げればキリがないのだが私の思う5つを紹介する。
1.全身が鍛えられる
2.血圧の改善
3.体脂肪を落とす効果が一番高い運動
4.低負荷なため関節や足腰を痛めない
5.緊急時に生き残る可能性が飛躍的に向上

水泳をする目的として何を主体に考えるかでメリットは変わってくるが、水泳のメリットは実に多い。パイロットとして水泳をすることは、私が「パイロットと健康」で話している「自己規律」にも大きく関わってくる。
「パイロットと水泳」は皆さんが思っている以上にパイロットライフに重要なファクターとなっていく。

パイロットが水泳をすることは体型維持にも大きく影響してくる。
水泳はとにかく気持ちがいい!

全身が鍛えられる

水泳はとにかく全身運動だ。全ての筋肉を使い、関節、心肺機能など一度に多くの身体機能を使っていく。
他の有酸素運動と違い全身を使うことで、腕の筋肉(二頭筋や三頭筋)、(三角筋)、背中(広背筋)を特に使うことから筋力もつき、体型が良くなる。
「夏までに痩せたい!!」と思う女性にも水泳は2〜3ヶ月続けるだけでプロポーションが見違えるほど変わって来る。

血圧の改善

意外かもしれないが、水泳には血圧を下げる効果がある。全身運動をすることにより、体内に取り込まれる酸素量が多くなり結果的に血圧が下がる。様々な意見があるが、全身運動で効率的に酸素を体内に取り組むことによりリラックス効果もあり、結果的に血圧の改善につながる。

体脂肪を落とす効果が一番高い運動

水泳は他の運動と同様に「体脂肪」を燃やす効果があるが、驚くのはその量である。
水泳の運動量における身体的負荷は陸上での運動の10分の1である。それでありながら消費カロリーはウォーキングの2〜3倍程ある。
・クロールを1時間した場合の消費カロリー 約1000Kcal
・平泳ぎを1時間した場合の消費カロリー 約600Kcal
・ウォーキングを1時間した場合の消費カロリー 約200〜350Kcal
・ランニングを1時間した場合の消費カロリー 約500Kcal
消費カロリーと体脂肪燃焼は必ずしも比例するとは限らないが、脂肪燃焼効果が高いのは明らかであり、時間対効果で考えれば水泳は素晴らしい運動だ。

低負荷なため関節や足腰を痛めない

様々な運動があるが、むやみやたらにすると体を痛める。
特に肥満体型の人が急に高負荷な運動をすると関節や腰を痛めてしまい、瞬く間に運動が嫌になる。
水泳は低負荷な運動であるため足腰への負担が少なく、無理なく続けることができる。泳げなくても歩くだけでも効果はある。
低負荷でありながら消費カロリーが高いため得られる効果が高く、健康にもいいためパイロットが腰を痛めやすい仕事柄、水泳はとてもおすすめだ。

緊急時に生き残る可能性が飛躍的に向上

実は私が今回、一番言いたいのはこれである。
水泳がもたらす健康効果や精神的効果はもちろんのことだが、パイロットは常に危険と隣り合わせである。災害の絶えない昨今。いつ何が起こるかわからない中「水への恐怖」を持たないことは全ての人に必要である。
もし貴方が訓練中、仕事中に不時着水した場合どうするだろう。ただ溺れるのか、生き残るのか。
「パイロットと水泳」がいかに重要かがご理解いただけるだろう。

パイロットが泳げなければ緊急時の案内も難しくなる。
安全の周知にも水泳の知識は不可欠である。

なぜパイロットに水泳が必要なのか

ここまで水泳におけるメリットや、健康効果の話をしてきたが、実は私が言いたいことは「水泳」が命を救い、「パイロットとしての精神のあり方」も高めることができることである。
正直水泳はスポーツの中で一番きつい運動だ。
しかし、きつい運動は身体機能を強めるだけでなく心身を同時に鍛えることができる。
空で緊急事態が発生した際、冷静に的確に判断ができるだろうか。
水泳とそれとは関係ないと思うかもしれないが、まずは初めてもらいたい。
パイロットは多くの命を預かり、時に生活インフラを守るための仕事もある中で、自分の命を守れることが出来るということは「安全意識」「緊急時の対応」というのが常に備わっているということである。

パイロットが緊急時に泳げることはマストであってほしい。
50mを1分で泳げるよう目指そう。

どれほどの能力が必要なのか

最後に、パイロットとして水泳能力を身につける中で、どのくらい泳げればいいのかと疑問になるであろう。
結論から言えば。
「50メートルを1分以内に泳げれば問題ない」である。これには根拠がある。
それは、船や飛行機が沈む際に大きな渦ができることから人はその渦に巻き込まれると、まず生き残ることができない。

パイロットとして最低限の救助知識はあるべきだ。


渦の直径は、沈む対象物にもより異なるが沈み始めて1分以内に50メートル泳ぐことができれば、渦に巻き込まれずに済む。*補償するわけではない。
要はパイロットとは他の人の命を救うと同時に最後は自らも生き残らないといけないのだ。
パイロットが水泳を身につけることで、健康面だけでなく緊急時の対処や心身面での向上もあることから水泳は必ず初めてほしい。
余談だが、水泳をしているとモテる。

水泳は心身ともに鍛えられる素晴らしいスポーツだ。
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